露雑

公園にはよく、有料トイレを見かけました。ほとんどがいわゆる私設で、公園管理事務所に場所代などを払っているのだと思います。トイレはいわゆる仮設トイレを大体3-4個連結させ、一つだけはそのトイレの管理人がいるところになっており、テレビやラジオ、雑誌や飲食物が置いてありました。そして残りがトイレです。見たところ有料だけあって確かにきれいに掃除されています。使用量は大体どこも同じで、30ルーブル(約75円)です。ほとんどが老人でした。多分、この国では年金制度などが確立されていないのだと思います。物乞いをする人もほとんどが老人でした。有料トイレを利用していた人は多かったようですが、競合も多いことですからそんなにたくさんの人が一つのトイレを使うとは思えません。ざっくりですが、1日30人利用したとして、900ルーブル(2000円ちょっと)。どうなんでしょう、あまり十分な額だとは思えませんでした。

インフラに関してはある程度進んでいるなとは思います。例えば水道水は一応飲めます。友人の自宅の水は決してまずくはなかったと記憶しています。もっとも普通はミネラルウォーターを使っていますが。下水は早くから敷かれていて、ガスは普及中でした。電気は普通、インターネットは光はまだごく一部だけでした。携帯はスマホが多いですね。日本よりも多かった気がします。ただしこちらではプリペイド方式が主流です。

公共交通機関に関してはなかなかよく整備されています。乗り合いバス、トロリーバス、路線バス、トラム、電車、地下鉄などなど、およそくまなく走っていて、郊外に住んでいる老人などでもそんなに不便なさそうです。ただしトロリーバスや電車はソビエト時代の古いものが多いようです。地下鉄も古い路線は古い車両で、エアコンが効いていないので窓を開けていますが、やかましいですね。

高速鉄道はドイツ製。おもしろかったのは列車がサンクトペテルブルグに着くと、サンクトペテルブルグの市歌?がホームに流れ出し、モスクワに着くと、モスクワの市歌が流れます。どちらも昔懐かしの旧ソビエト時代風といったメロディーでした。両市は日本の東京、大阪のような感じで互いにライバル心があるそうです。サッカーなどの試合では巨人阪神戦並に燃えるとか。冷静なロシア人もやはり燃えるときには燃えます。

自動車。1日に何度も路上に壊れて動かなくなった自動車を見かけます。40、50キロ走ると2.3台以上は見かけるでしょうか。自動車だけではなく、大型トラックまで動かないのがあります。日本だと車検があるので、路上に車が故障して動かなくなっている状態などは年に何度も見ませんが、ロシアでは全く日常的です。また、そういうときのバッファーも弱く、普通だったら40分で行けるところが、ちょっと渋滞すると3.4時間にもなります。

セキュリティには参りました。高速鉄道に乗るには2度も金属探知機をくぐりました。しかし結構なレベルでも警察官は止めるでもなく、単なる形式的なものになっている気もします。しかし空港のセキュリティには閉口しました。現地から飛行機に乗る際は2回も金属探知機を通り、しかもスタートレックの転送装置のような全身を一度にスキャンするような機械に入って走査され、更に女性警察官にあっちこっち触られまくって検査されました。アメリカの場合でも靴まで脱がされてバカかと思いましたが、セキュリティを高めるよりも、他国から恨まれない外交努力をすべきでしょう。

食べ物。アメリカに比べると甘さ控えめなので、日本人の口に合うものが多いと思います。私は基本的に好き嫌いがないので出されたものは文句なしに平らげますが、強いて言うならロシア人は1回で食べる量が少なく、回数を増やすような感じです。ただしこれは人によると思います。カフェでコーヒーを飲むのは好きらしいですね。昔からの習慣だったのでしょうか。

ロシアンティーというのは紅茶を飲みながら、数種類のジャムをスプーンですくって食べるそうです。恥ずかしながらそれまで私はロシアンティーはジャムを入れて飲むのだと思っていました。今回、ジャムは南の地方でしか採れない珍しいものから、ブルーベリー、ストロベリーなど、どれも美味しく頂きました。最近では日本茶もよく飲まれるそうです。

貧富の差というのは結構あると思います。
昔風の壊れかけた家にひっそりと住んでいる老人もいれば、日本ではなかなか大きいと思われる家を建てている家庭もあります。ただ、アメリカでよく見かけるようなバカみたいに大きな家はそんなにありませんでした。どの家も周囲の風景に合うようなデザインです。また、地震がないので当然、煉瓦造りが多いようです。言うまでもなく敷地に関しては日本よりはずっと広いところが多いようでした。無論、モスクワ市内在住の場合はほとんどがマンションです。

ロシアのマンションでは日本と違ってテラス側は好きに加工してよいそうです。なのでサンルームにしたり、ひさしを付けたり、それぞれの家庭で色々工夫を凝らしています。こういうのはなかなかいいですね。

外国人出稼ぎ労働者の数が多いです。仕方ないのかも知れません。今、モスクワ市内はあっちこっちひっくり返して工事をしています。郊外でもマンションがひっきりなしに建築されてますし、新築住宅も増えています。かなり景気がよいようです。こういう景気は外国人労働者達によって支えられていることを覚えておいて欲しいと思います。


平成二十四年葉月二十二日
不動庵 碧洲齋