独り旅に出る

息子が人生初の独り旅に出るまで1週間になりました。
私が独り旅をしたのは高校生の時、秩父へ山籠もりに行ったときでした。
初めての海外独り旅は留学時、20歳になるとき。
さすがにこのときばかりは口から心臓が出そうでした。

息子は今まで3回の渡航経験があります。しかしまさか独り旅がいきなり海外とはちょっと想像していませんでした。普通は田舎のおばあちゃん家とかですよね。「行ってらっしゃい」というのが成田空港とは本当に改めて驚きます。
まだ11歳、小学6年生ですから私が成田で緊張した比ではないと想像します。

息子にとって異文化とは物心ついたときから普通に接してきているので、テレビや映画の中だけのものではありません。少なくとも息子は今まで20-30ヶ国の外国人と接してきたことがあります。世界を寛く見る、そういう教育に関してはまずは成功したと言えます。これからどんどん深めていけば良いのです。

また、私は日常的に英語でコミュニケーションを図っている上に40を過ぎてなおロシア語に取り組んでいます。そのような親の姿勢を見て何か思うところがあるようです。人生は勉学の一生です。サボり気味にしても・・・

リアルで広い世界を体感させ、日本の立ち位置、自分がしたいこと、自分が出来ることを実感して欲しいと思っています。全く手が届かなさそうなのか、努力すれば出来るのか、テレビと実際とではどれだけ違うのか、その国その土地の匂いや味、空気を体で感じて欲しいと思います。

残念なことにバブルの時期に比べて、こういう経験を率先している人は減っています。もちろん経済的な問題もあったり、仕事が忙しくて海外に行ったり外国人と交流を持つのが難しいと思う人もいるでしょう。しかし四方を海に囲まれ、国としての経済的立ち位置から、出稼ぎに行ったり、移民を受け入れたりすることの少ない日本です。世界にどれ程影響を与えているか、どう思われているのか、実際に足を運んでみなければ分からぬ事もあり。

昨今、親日だの反日だのと色分けしている人たちは、実際にその国に行ったことがあるのか、その国の人たちと話したことがあるのか、そう考えると大変貧しい根拠のように思うこともあります。息子は宇宙飛行士を目指していますから、国境という概念すらローカルなものです。一世代先のものの考え方になるべく近づけるよう育てていくのが親の務めではないかと思うのです。

ロシア・モスクワの宇宙飛行士博物館を見上げる息子
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平成二十七年文月十三日
不動庵 碧洲齋