本を読もう

私はスタートレックファンですが、その中で何よりも理論を重んじるヴァルカン人が殊に重視しているヴァルカン哲学の基礎に Infinite Diversity in Infinite Combinations(無限の組み合わせにおける無限の多様性)という言葉があります。略してIDICと言われます。宇宙における非常な多様性を賛美する精神を表しているそうです。

ICIDを現わしているシンボルマーク・・・だそうです。
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日本人は単一民族、単一言語ですが、生物学的にミトコンドリアゲノムを解析すると、欧州地域よりも多い9種類ものDNAが存在するそうです、いろいろなところから少しずつ集まってできたのが日本人の原始のようです。そういう国がギネスレコードで世界一古い国であることは興味深いところです。

先日、会社の70周年記念パーティーがありました。ドレスコードは平服、上司と社長に確認するとジャケットを羽織っていれば良いとのこと。勿論私は他の人たちがどのような格好をしてくるのか知っていましたが、敢えて左記の通り「平服」で参加しました。ジャケットにスラックス、ノーネクタイ。70人ほど来て、ジャケットだったのは私を含めて2人、ノーネクタイは同じく私を含めた2名でした。それ以外は皆普通のスーツでした。
知っていてこんな事をしたのには理由があります。その昔留学中にパーティーがあり、同じく「カジュアル」だというのに日本人の多くはスーツを着てバカを見たことがありました。以後、私は多くの場合で本音と建て前を使わないように努めるようになりました。「これ」と言ったら必ず「これ」であろうと努めるが如く。お陰で全幅の信頼を置いてくれる人も多ければ、いちいち揚げ足を取って目の敵にする人も少なからず。以後、表裏をあまり構えず、陰険でも姑息でもないよう努めるようにしています。そもそもそういう手合いは一般論として武芸者以前に人としては風上にも置けないとは思います。

私は武門の末席を汚している者ですが、見識を広げるために他流の方々と良く交流を持ちます。門内では外国人が多いので異文化交流をよくしていますが、門外の方々と交誼を持ち、より深い見識を深めることもまた、武芸者としても重要と思った次第。流派によって思想哲学がかなり違ったりしていて、なかなか興味深い。
既述のドレスコードではありませんが、常識が真逆だったりすることもあったりします。当流では常識的に使われている技が、他流ではかなり高度なものだったり、礼法でこちらは当たり前の事でも相手にはそうでなかったりすることもしばしば。なかなかおもしろく思うことがあります。
勿論言うまでもなく「人」にもえもいわれぬ魅力を感じる人が多い。人として尊敬できる方のなんと多いことか。「我が流派こそ天下無双、他流を顧みる必要なし」(主語は会社でも自分でも構いませんが)など思ったら、ロクなことがありません。井の中の蛙では薄い人間になります。吉川英治ではありませんが「我以外皆師也」の精神が一番ではないかと思う次第です。よくよく心したいところです。

ま、そんなことはどうでもよいのですが・・・
週末、他流の武友と食事をしました。焼き肉をご馳走いただき大変恐縮でした。
焼き肉屋さんも武道をされている方で、話が弾みました。
その武友は書籍の出版社に勤めています。
私も昔ほどではないにしてもそれなりに本は読む方ですが、昨今の電車内や街の様子を見るに、スマホでなければポータブルゲーム機に首を突っ込んでいるような手合いが大変多い。ここ3年ほどでも車両の一番長いイス10人掛け程度で、半分程度でも本を読んでいるという場面には全くお目にかかっていません。今では電子書籍というものもあるようですが、周囲を見渡す限りでは電子書籍を読んでいる人は10人に1人いるかどうかというところ。以前乗ったことがあるモスクワの地下鉄ではペーパーでもタブレットでも読書している人は大変多かった。
武友曰く、今の出版業界は大変厳しい時代でなかなか売れないとのこと。本当にみんな、本を読まなくなりましたね。これは本当に良くないです。
ちなみにこの武友が20-30年前にその業界に入ったときは大変な人気で、何十倍どころではなかったそうです。当時は出版にそのくらいの熱意があったという事でしょう。本を読まなくなるといいことはありません。月に1冊でも読むことをお勧めします。幾らかでも人品を磨くことに寄与すること間違いありません。


平成二十七年神無月十三日
不動庵 碧洲齋