年末年始の備忘

今年は妻子らが先に帰省して私のみが正月に追って行くことになりました。
ということで今までほとんど行ったことがなかった除夜の鐘をやってみようと日頃坐禅会で行っている川口の寺に行こうと思い立ったのですが、翌日の妻の実家に行く交通の便を考えると東京駅と寺の最寄り駅の間で宿を取った方が良いということになり、赤羽にて宿を取りました。人生初のカプセルホテルというものです。

当日はめいいっぱい掃除をして家を可能な限り清め、メイに留守番を頼み出ました。心境の変化でしょうか、ここ最近は掃除が大変楽しくなってきました。途中都内に立ち寄り買い物をしてから赤羽に。赤羽は飲み屋などが多く、大晦日どおりの賑わいでした。
夕食はとんかつ定食。この大晦日だというのに高校生ぐらいの女の子たちが一生懸命に働いていました。店の教育がいいのか身のこなしや気遣いがなかなかでした。料理も大変おいしかった。大晦日や新年は皆が不便を忍べば多くの人が正月を楽しめるのにと思います。贅沢なものを求めすぎてはいないだろうか、自ら反省します。
ホテルには温泉もあり、一風呂浴びて一休み。大晦日に泊まる人は少ないようですが、逆にこういう時期に泊まりに来る人はどんな人たちなのだろうと考えます。特に年老いて来ている方が身の上で幸せでない理由ではないことを祈るばかり。フロントの方々はバーテンダーでもやっていたかのように粋な感じの初老の男性方。そして音楽がほぼクラッシックでしかも私が好きなものばかり。泊まっている方々の趣味に合っているようには思わないのですが・・・不思議に思いました。

11時少し前にホテルを出て下り電車に乗りましたが、気になる人がいました。
若い女性です。多分20代半ばか30才前ぐらいの私好みの美人です(笑)。服やファッションからたぶんOLのような感じでしたが、ぎょっとしたのはその女性、なんと防寒ショートブーツを脱いで素足を見せていたこと。座席は空いているほどでしたが人はそこそこいます。裸足をブーツの上に行儀良く揃えていましたが、その足が手入れされていないというのか荒れていたというのか。美人には似つかわしくない足だったのが印象的でした。この時期、こんな時間に電車に乗っているぐらいですから仕事が忙しかったのでしょうか、何かあったのか。表情は疲れているような感じだけでうかがい知れませんでしたが。来年は彼女に良いことがありますように。

寺に行くとほぼ一番最初。さすがにライトアップされています。12時40分頃になると般若心経の読経が始まり、除夜の鐘一番を打たせて頂きました。数年前までは甘酒やミカンが出たようですが今は打つだけなので顔見知りの雲水らに挨拶をしてすぐにホテルに戻りました。カプセルホテルとはいえさすがに寝るには十分な広さ。気持ちよくなられました。強いて言えば禁煙なのに煙草のニオイがすること。多分、不届き者が吸ったことがあるのでしょう。唯一それが残念でした。

寺の勅使門
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翌日は早めに出てマックで朝食を取り一路東京駅。正月に帰省する人は少ないようで駅はそれほど混んでおらず、乗車した新幹線も席は結構空いてましたが、品川、新横浜を出ると結構の座席が埋まりました。幸いにも私の隣は空いてましたが。富士山側で晴れていたので眺望を楽しみにしていましたが、想像通り大変素晴らしい富士山を眺めることができました。
富士山は言わずと知れた日本一の山。ただそれは標高が高いから日本一なのではなく、その美しさこそが日本一だという意味合いが多いことに日本人として誇りを感じます。この意を先ほどフェイスブックに英訳して投稿したところ、多くの海外友人も賛同してくれたようです。これが分かってくれることに対して深く感謝したいところです。

新幹線から見えた富士
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妻子とは岡崎城にて落ち合うことになっていましたが、駅から城に向う途中、川岸を歩いているところで会うことができました。
例年は岡崎城内にある神社でお参りをしますがいつもより遅い時間で人も多く、逆に今まで行ったことがなかった天守閣に入ることにしました。天守閣は戦後に再建された鉄筋コンクリート造りで近代的になってます。展示資料はなかなか興味深いものが多かった。天守閣からの展望もなかなか良かった。
その後、資料館や昼食などで時間を潰してから妻の実家に戻りました。

岡崎城
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帰路に見かけたパトカーの標語「オレは誰?」
オレオレ詐欺のことを指していたのでしょうが、何となく意味深の公案っぽく感じた次第
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翌日は妻の祖父母の家に立ち寄りました。
妻の祖父は去年秋、100歳で亡くなりました。親族内で100歳は初めてです。お骨と位牌があるので頼まれて我が家の朝課と同じお経で読経させて頂きました。家には色々頂き物があり、妻の両親が少しずつ整理しているようですが、今回はオペラグラスと双眼鏡を頂きました。なかなかよいものです。祖父がいつも座っていた椅子の傍らに古いラジオカセットレコーダーが置いてありましたが、それはソニー謹製、国産でした。今の時代にはない雰囲気があり、一枚写真を撮らせて頂きました。MADE IN JAPANの文字に新進気鋭の念がこもっていたように思います。祖母は96歳。今は老人ホームに移っていますが別に健康的に悪いというほどではなく。その老人ホームは珍しく基督教系の運営なのですがとても雰囲気が良い。祖母は本当に有難いことに夫の死でふさぎ込んでいるでもなく、以前のあまり変わらなかったのが救いです。家柄も良く女学校も出た学問のある方なので、しっかりしています。この世を「よきもの」だと思わねば長い気は出来ないと思います。妻の祖父母はこの世を「よきもの」としていたから長生きできたのではないかと思っています。私もそれを見習いたいものです。

ソニー製ラジオカセットレコーダー
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帰路はいうまでもなく大混雑。新幹線のデッキでずっと立ちっぱなしでしたが詰め込まれるほどでもなく。車内では音楽を聴きながら本1冊を読み切り、残りはロシア語の勉強に充てました。息子もニンテンドーならぬカシオ・エクスワードを開いて英語の勉強をしていました。人は世に生を受けた以上はできるだけ高い志を持ちたいものです。

帰宅するとネコが待っていました。無事で何より。やはり家が一番落ち着きます。

今年も皆様に多く幸いがありますように。


平成二十八年正月三日
不動庵 碧洲齋