希国旅行記 其の三

成田から飛んで来て、乗り継ぎ便に搭乗できなかったことで、予定外に仁川国際空港に滞在する事態になりましたが、空港では別段することもないし無駄な出費もしたくなかったので、じっくりと初めて来た韓国を色々観察しようと思いました。反日で喧しい国ではありますが、やはり来てみないと分からないことも多く。

まず入国審査官のおじさん、予想を遥かに超えていて日本の入国審査並に親切丁寧で礼儀正しくにこやかでした。しかも最後に日本語で「ようこそ韓国へ」とまで言ってくれました。ん~最初から構えすぎたか(笑)
で、乗り継ぎが分からなかったのでインフォのお姉さんのところに行くとこれまた親切に、しかも緊急を要するので親身になって「上の階ですが、急いでください」と言ってくれた。いや、美人でしたよ。
でも再チェックインのためのチェックインカウンターの男の子と女の子はちょっと。男性職員はビックリしたように私を見上げ「いや、空港自体が12時で終わりなんです」とシャッターの閉まったセキュリティーゾーンを指して申し訳なさそうに言いました。粘っても結局、空港自体が閉まっているとどうにもならず。飛行機自体はその向こうにあるというのになすすべもなく。隣の女の子は顔も上げずにスマホに夢中になっていたのでこれはちょっといらっとしました。その女の子は一度だけどうしてもダメですと言ったのみで、それ以外はSNSに夢中のようでした。で、ここはひとつ「日本人め、ザマアミロ」って思っていないだろうかと入念に彼らの表情を伺いましたが、そういう感じは全くしませんでした。

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仁川国際空港内

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空港の外の景色。遠くに街が見えました。

仕方ないのですぐ近くの待合コーナーの椅子に座りました。同じように夜を過ごす旅行者が一人で4-5席を使って寝ていました。どこも空いてなさそうでしたが、一つだけ片隅に座って寝ている男性がいたので私はその反対側に座って寝ましたが・・・。なんか妙に臭い(笑) 何日も風呂に入っていない、浮浪者の臭いというのか。でも他に席が空いてないので仕方なくそこで朝まで寝ました。夜は空港内が若干暗くてどんな人が座っていた/寝ていたのか分かりませんでしたが、朝になってみると座って寝ていた方がどうやら臭いの原因だったようです。でも妙なことにその方、あまり浮浪者には見えません。身だしなみは悪くないのです。しばらく後にトイレでその方に偶然会いました。彼は多分空港内で働いているようで、出勤前には入念に髪をとかしたり顔を洗っていました。表情は知的で温和です。多分、椅子も臭いを移らせてはいけないと思って空いていたにも拘わらず、横にならないで座ったまま寝ていたのだと思います。そういう気配りができる人のようでした。この方は旅行中、ずっと印象が強かった。

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こういうものを食べましたが美味しかったです。しかもちゃんと暖めますかと親切に言ってくれたし。欧米だったら多分そのままだと思う。

仁川国際空港では普通のごみとリサイクルに別れており、円筒形のゴミ箱が二つくっついたような構造になっています・・・が、観察していたところ、韓国人とおぼしき人たちはみんな全く気にもせずに捨てていました。外国人や日本人はちゃんと分別して捨てていました。この辺りはいささか民度に問題有りと思います。

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掃除のおばさんたちがリサイクルごみを拾っているそばから平気でごみを投げ入れる輩もいた。これは本気で腹が立った。

次に興味を引いたのは掃除をしているおばさんたちです。私が座って食事をしていると、韓国語は分かりませんが食事のごみを指して「もし良かったら捨てときましょうか」みたいなことを温和な感じでにこやかに言ってくれました、2回ほど。また、待ち疲れて空いている椅子に脚を上げていると、やはり掃除のおばさんが見かねて脚を乗せやすいように椅子の距離を詰めてくれました。お礼を言うとにこやかに返してくれました。また、私が座っている座席の近くを掃除するときも韓国語は分からないが「ちょっとごめんなさいね」みたいに言ってから実に丁寧に掃除をしていました。実際のところ、韓国人はみんなキイキイしているのかと思ったのですが、そうでもないようです。掃除のおばさんたちは日本人の同職のおばさんと変わらないぐらい礼儀正しく親切で優しい。空港で働いていた掃除のおばさんはほぼみんなこんな感じで、小綺麗にしていて物腰も至って丁寧で親切でした。ちなみに売店などで働いていた若い人たちも大方そんな感じだったので逆に驚きました。

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空港内にあった水墨画。なかなかのものでした。

実際に見て見ないと分からないものです。レストランの従業員の若者たちもそれぞれ日本人の同世代とそれ程変わらず生き生きと働いているように見えました。ちなみに相手が日本人であっても対応の丁寧さには差はないように思います。そもそもこの空港にはかなりの日本人がいて見分けることはほぼ不可能で、私もほぼ50%の割合で韓国人と間違えられましたが、空港職員や店員は片言の日本語が使える人は多かった。また空港内にはほぼ全ての場面で「韓国語・英語・中国語・日本語」の説明があります。
仁川空港を出るときも出国時、審査官の方も日本語で「どうぞ、お通りください」と言っていました。

私が見聞できたのは空港内なのでかなり限定的です。強いて言えば韓国人旅行者とおぼしき人たちの方がずっと横柄だったように感じます。
ま、空港スタッフは選りすぐりだからソウル市内の韓国人とは別なんじゃないの、と家族からは言われましたが(笑) 私は人が良すぎるんでしょうか。分かりません。

令和元年皐月九日
不動庵 碧洲齋