碧呟聲 -ゆき-

本日は関東南部で今冬初めて雪が降った。
あいにく積もるほどではなく、僅かな間に雪が降っている風景を愉しんだという程度。
それでも都心部では滅多に見られない雪景色だけに心躍るものこれあり。

雪の語源はご存じだろうか。
諸説あるが、有力なのは「神聖であること」「いみ清めること」を意味する「斎(ゆ)」に、「潔白(きよき)」の「き」。もしくは「潔斎(けっさい)」を意味する「潔斎(ゆきよし)」から。雪は古くから信仰の対象とされていたようだ。
確かに真っ白なものが舞い降りてくる様はあまりにも美しすぎてため息しか出ない。
(雪国の方々の苦労は一応理解しているが)

私にとって強烈な雪の想い出はひとつしかない。
武芸の師と出逢ったときの風景だ。
それは1986年2月22日土曜日の夕刻。数日前の大雪がまだきれいに残っていた埼玉県春日部市の市民武道館で私は「ニンジャの先生」なる人物を1時間も早く来て待っていた。
前の年の暮れ、何処かの武門をくぐろうと模索していた折、当流宗家の書いた本を偶然手にして閃くものがあり、手紙をしたためたところ幾つかの道場を紹介された。それで年明けに一番通いやすかった春日部で教えている先生に電話にて伺う旨を伝えたのだった。
すでに30年以上も経っているのに、その時の雪の白さ、触れたときの雪の冷たさ、既に暗くなった白い風景がつい最近のように思い浮かぶ。

「ゆき」の御利益に預かることができ、既に34年。すでに母よりも長い付き合いになり、数年後には父よりも長い付き合いになる。「ゆき」の奇蹟は師という形になって今なお私に幸多くしてくれている。

令和二年睦月十八日
不動庵 碧洲齋

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