最近の日本社会について

最近、ふと思うことがあります。
日本と特に欧米圏での労働者の質についてです。
実際に海外の友人知人らと長年交流を持った経験と、米国留学と豪州赴任から得た体感としてですが。
ステレオタイプになってしまいますが日本人労働者は概して勤勉で誠実、真面目です。非正規労働者に到っても職務に対しては責任感が強く誠実であることには海外と較べて驚くことしばしば。海外の多くは「賃金に比例して」労働する事が多く(笑)。ガソリンスタンドのバイトなどは本気で叩きのめしたくなることもなきにしもあらず(笑)。バイトによっては客を客とも思わない人がいたりします。

一見何ともなさげなことですが、これはかなり重要です。これは日本の社会全体が盤石の礎にあるということです。信用社会、当たり前の事を鑑査したり疑念を呈したり保安を考慮する必要がないということは社会効率を確実に上げます。これを個々の才能ある指導者や経営者で賄うことはほぼ不可能であり、これを考えると日本の高質な社会はまさに誇るべきものがあります。

一方で海外労働者と較べて決定的なことがあります。それは「スペシャリスト」が少ないこと。逆に多いのが「ジェネラリスト」英語で言う「GENERALIST」は肯定的な意味で「マルチな人」ですが、私が言いたいのはいわゆる「普通のサラリーマン」「普通の事務職」が圧倒的に多いという事です。欧米社会では日本よりも手に職を付けて所謂その道の専門家たる人が多い気がします。多いと言えば「経営者」も圧倒的に多い。独立して起業する人の数は桁違いに多い。何かの専門の道を行く人が日本よりも圧倒的に多い気がします。

日本では国民須く均等に働いているイメージですが、欧米圏ではその道で働いている人が多い。もしかしたら一昔前までは日本のジェネラリスト集団の方が効率が良かったのかも知れませんが、ITが行動に発達した現代では一人社長でも効率よく働けばかなり稼ぐことができ、逆にジェネラリストの集団では足かせになってしまうのではないかという、私の考えです。

バブル後はフリーターという層ができました。今になって非正規雇用も正規雇用と同様の待遇にせよと言います。多分会社が優遇したいのは多少でもいいから「スペシャリスト」の人だと思います。フリーターでも多分にスキルを持っている人が雇用の機会がないというのは社会の問題ですが、どうも体感的には欧米圏と較べるとそういう人の割合が少ない気がします。気がするだけで分かりませんが。良くハリウッド映画などではスペシャリストの勉強をするためにアルバイトをしている人が描写されますが、日本では逆にフリーターの描写が多い気がします。

フリーターを正規雇用と同じ待遇にした場合、内部留保金が世界平均を圧倒している多くの日本企業でも(苦笑)すぐに経営が苦しくなると思います。これでは海外の企業と戦えない。例えば私は英語が少しできるという事で会社からは特別手当を頂いてますが、普通海外で英語ができたぐらいで特別手当なんか与えていたらやっていけません。語学で言えば4カ国語ぐらいできるのなら話は別ですが、バイリンガルなんて日本で言えば共通語と方言ができるという程度しかないのです。

非正規雇用者を救済するのは重要です。そもそも今の雇用条件があまりにも悪いことは諸先進国と較べて明白ですから急を要しますが、それとスペシャリストを増やすのはまた別の問題。スペシャリストが増えない限りは多分日本経済の零落は避けられないと思います。ジェネラリストを増やしても多分、日本経済の復活にはほとんど影響を与えないと思います。

外国人雇用者の受入については慎重を要しますが、まず国策ありきです。日本が純血主義を貫きたかったらそれはそれで良しと思います(笑) 我らが国家ですから他国がどう思おうとも関係ありません。ただし完全にシャットアウトすることは既に現段階でも破綻してますから柔軟かつ厳格に、先を見据えてすべきかと思います。現在の研修生制度は限りなくバカな制度です。

そして日本社会の非効率性。最近はやっとあちこちで声が上がってきました。
日本ではご存じのようにキャッシュレスが遅々として進んでいません。それは既に書いた通り日本社会が高質過ぎてキャッシュレスにする必要性がないからという、他国ではなかなか理解されない事情があるためです。日本社会があきれるほど非効率なのも同じ。個々の労働者が平均して高質なため、残業や休日出勤などをしてまで確実に終えるという涙ぐましい労働をしているため、一見非効率でも欧米社会に十分対抗できてしまっていました。

しかし21世紀の間に日本の雇用環境は激変すると思います。私は今、平日夜に小遣いの足しにと2.3時間程度、某最王手運輸会社の拠点でバイトをしてますが、驚くことに6割以上7割近くが外国人です。そしてその3割ちょっとの日本人の内、半分ぐらいは高齢者です。また外国人たちの年齢層は若い。ほぼ20代です。コンビニの店員は最近外国人が多くなってきたとか言ってますが、実際には日本人の目にしないところではすでに外国人労働者が大量に働いていて、見えないところで高質な日本社会を維持するためのために汗を長いている体です。あともう1世代、30年未満、今世紀半ばになったら日本社会、日本経済は戦後最大級に低迷することが考えられます。もし日本が効率的に労働を生かせる社会に転換できた場合にのみ、若干低迷から逃れられるという程度でしょうか。

あるいは日本周辺で紛争や戦争、それに類する事があって、例の如く国民が目覚めたとしても復興するのに最速でも1世代はかかるものです。先の大戦後の朝鮮戦争やベトナム戦争の特需ように、よその国頼みではちょっと恥ずかしい。やはりITをフル活用した超効率的な社会の実現が日本を救う手立てではないかと想像します。そして残念ながら日本は他の先進国に較べてIT技術者の数が致命的に少ないと言われています。

別の懸念があります。その効率社会を生み出す過程で今まで日本が背負ってきた伝統や文化、歴史が蔑ろにされないかという事。効率的でありながらかつ伝統や文化、歴史を大事にするというのは想像するに難しい。我々は欧米圏と較べても日本は桁違いに古い国であることを忘れがちです。この条件がなかった場合、やはり戦後日本のようにまた欧米人と同じ土俵で戦い、疲弊して同じ道を辿る気がします。同じ土俵ではなく、日本独自のやり方を編み出さねばならないと思ったりします。私如きが想い付くものではありませんが。

色々思いつくままに書き立ててしまいましたが、結局のところこういう民族なので優れた政府があればコロッと変えられる可能性もなきにしもあらず。ただ現在、昨今例を見ない優秀な安倍政権を以てしてもこのレベルですから日本経済の方向転換はやはり至難の業というところでしょうか。

令和弐年如月十四日
不動庵 碧洲齋

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