見取り稽古のこと

「見取り稽古」という言葉すら、昨今あまり聞かなくなりました。 文字通り見て覚える。観察する稽古です。 ぱっと見ただけで分かるものかと言われそうですが、逆に見てもいないことをするのはもっと分からないのも真理です。 古来から日本の伝統芸能ではこの「見取り稽古」がなかなか重要な地位を占めてきました。 例えば江戸時代ぐらいであれば、入門したての頃は雑用にこき使われ、道場の稽古は雑用の合間にチ…

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予知より日々の点検

私は会社で製品の他に補用部品の輸出も担当していて、部品発送の時は部品センターで作業をします。 部品センターの中二階には部品発送用のダンボールが大量に積まれているのですが、時折危ないなと思ったときなどはセンター長にさりげなく意見したり、自分で上がって直したりするのですが・・・。 今朝はその部品センターで危うい事故から間一髪で回避しました。 今朝はその中二階の縁の真下で行わなければならない…

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稽古に想う事是れあり

昨日は祝日と言うことで、いつもは行けない稽古に出ました。 師匠以下、門下生12名、うち日本人の直弟子は2名。 もう1人は米国人の直弟子で、残り9人は来日中の出稽古です。 稽古では色々なことが分かります。 一挙手一投足でその人の人となりがほとんど分かってしまうことあります。 武技のくせも分かってしまうこともあります。 その人の技量の良し悪しもすぐに分かります。 もっともも…

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五体満足のこと

昨日は横浜市内の寺に行って坐禅をしてきたのですが、昨年秋からずっと懸案事項になっていた右膝の痛みがほぼ完全に無くなったようでした。結局、治るのに1年近く掛かりました。オマケに左足の足底、踵の前辺りが痛くなる足底筋膜炎にもなりました。それからというもの、テクテク自分の足で歩くことが苦痛になり、自分には大変堪え難いものでした。これが30代だったらもっと早く治ったと思いますが、40代になると治癒力がか…

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たまにはいるものだ

昨日は久し振りに大人数の外国人門下生が、私が通う道場にやってきた。いつもは少人数だけにかなり賑やかだった。 その中で1人、イタい門下生がいたのだが、それについていささか思うことを書いてみようと思った次第。 彼は中東の某金持ちの巣窟・・・もとい、カネが潤っている大都市からイギリスに移民したようだが、若干29歳とか。 休憩中に一手指南を頼まれたので相手をしたのだが、久し振りに見たトンだ勘違…

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進化より深化

昨今、インターネットで膨大な量の情報を得ることができ、その中でかなり効率的に自由な選択をすることができるようになりました。 A先生の稽古はどうだったとかB先生の技は凄かった、C先生の理論は秀逸だった、などなど。直接赴かずとも参加者のコメントやブログを読めばたやすく分かるようになってきました。20年前ではおよそ考えられないほどの情報量です。 インターネットの普及で、人間関係もグローバルな様…

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正木丹波の槍

歴史的、特に戦国時代では特筆すべき事がかなり少ないわが埼玉県ではありますが、全国に誇れることの一つが「忍城」です。2012年には「のぼうの城」として映画化もされました。豊臣軍と言えば攻城戦の常勝軍として知られていますが、その豊臣軍をして全国で唯一落とせなかったスーパーな田舎城です(笑) ま、指揮をしたのが石田三成だったという幸運もあったかも知れませんが。それにしても2万(少なくとも)対3000弱…

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方程式のように

私は全くの文系で数学はずっと苦手でしたが、大人になってからふと、数学は面白かったのかも知れないと思うようになりました。答えが1つとはなんと芸のないことかと思う反面、その答えに到る道が多岐に亘り、迷路の如くであるという様が数学に興味を抱かせているのだと思います。昨今は大人向けの数学の本も見かけましたから折をみて読んでみたいと思います。 武芸も似ているところがあります。 「自分」が「…

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二葉と山岡鉄舟

昨日の午後から、他に4人の禅友たちと埼玉県は北部に位置する小川町まで行ってきました。 禅友と言っても私以外は全員が60才以上のベテラン、大先輩たちです。中には私が生まれる前から禅、もしくは武道をやっていた方も。昨今、禅や武道で集うことがあると大抵は中堅か古参扱いなのですが、昨夜は全くの駆け出し、青二才、小僧扱いです。初心に還ったようで妙に嬉しいというのか懐かしいというのか。 同席の二人は…

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戦の今と昔について思ったこと

私は甲冑を買ってから12年ほどになります。そしてかなり多くの割合で甲冑を着て実戦に近いような動きもこなしてきました。なので昨今戦国時代ブームに乗じて流行りだしてきた自前甲冑での時代祭以上には甲冑を着て、本来の用途に近いことはしていると思います。 その間に色々な方のアドバイスや知識に接する機会があり、大変参考になったものがある反面、どうも腑に落ちない類の知識やアドバイスもあり。 そういうことで…

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暴力について

昨今、力ある者が力ない者に容赦ない暴力を振るって傷害を起こしたり殺害に到るニュースをよく見ます。 大人が子供を、若者が老人を、男が女を(ま、女が強いこともありますが)、複数が一人を、ざっとこんな感じで。全く愚かすぎて話になりません。 ストレスの耐性がなくなり、そのはけ口に自分より弱い人間を対象にした暴力行使をする。食べ物や生活環境のせいでしょうか。そんな気がします。 多分昔は良くあった…

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正師逢見ということ

昨日は息子と庭で伐採した枝葉の残りを袋詰めしていました。 たまたま師匠と弟子の話に及んだとき、私が言いました。 「良い師に出会えるというのは時には人智の及ばない神の領域であることがある。どんなに良師を渇望していても巡り会えない人は多い。ただ言えることは良師に巡り会うことができる人は決まって志の高い人だ。」 息子は少なからぬ衝撃を受けたようです。 「え?本当?」 「ああ、出会った師は必ず…

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樋入り木刀に寄せて

最近、息子が本格的に体力作りのためのトレーニングをしたいということで、わざわざメニューまで作って始めたのですが、それに当って本人の希望もあり木刀の素振りをメニューに加えました。強さに憧れ出す年齢でしょうが、まだ本人は武道をしたいとか当流に入門したいとかいうほどではなさそうです。 私が所持する木刀のほぼ全部は1本ずつ作られた準オーダーメイド品で、恐らく製造された本数はかなり限られてい…

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意志を試す

幕末のある日、山岡鉄舟が町人の友人と一緒に、成田山新勝寺に参拝する約束をしていましたが、あいにく当日は大変な嵐になってしまいました。 雨の中、町人の家にやってきた山岡に友人は「今日は酷い嵐だ、行くのはやめよう」と言い分かれました。 夕刻、また山岡がその友人宅を訪れました。そして彼は新勝寺の御守を手渡しました。 なお、江戸から新勝寺まで60キロ弱あります。 昨年から自動車を手放してから…

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基本を練る

平成二十七年葉月三十一日の稽古所感として これは私の師の教えでもありますが、興味を湧かせるように教えること。 淡々と基本に忠実に教えることはもちろんですが、厳しいだけ、道筋から目を離さない単調な教えは良くないと言う事です。 武芸の道は厳しく遠い、もちろんそうです。そしてそれを理解して入門したのだからそういうことは了承済だ、もちろんそうです。 ですがそれだけで人が付いてくるほど現代は人…

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後進の育成 -昨日の稽古の所感に寄せて-

ありきたりになってしまうのですが、後進の育成は門派を隆盛させるだけでなく、自らの稽古にもなると言う事は昔から言われてきていることです。 単純にインプットとアウトプットあっての完成なのだと思います。 確かに社会人でも親から育ててもらったのに親になって子を育てない人の中にはいささか社会的に未成熟な感じがする人が多い。そういう人が社会に増えてきたことは、今の社会の有り様に関係あると思います。 人…

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匠の技を単純に

単純な行為を直接の感覚を以て匠の技で行う。 これが一番シンプルな意味において「強い」 先週日曜日の稽古において、当流の宗家が口にした言葉です。 (正確な言い回しではないかも知れないという辺りはご容赦ください) いくつかの言葉のうちで、これが一番印象に残りました。 優れた茶道や華道、舞踊の先生方の所作はまさにその通りです。 箸一つ、戸を開ける仕草一つ取っても完璧な動きを見せてく…

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あるがままにて

実は1ヶ月近く前から左足裏に痛みがあります。丁度踵の前内側土踏まずが始まる辺り。普通に接骨院に行っているのですが、さっき何気なく調べてみてショック。なんとwikipediaにも載っているぐらい普通にある症例のようです。足底筋膜炎、というのが症状で、足の裏にくまなく広まっている筋膜の骨との接続部分に起る炎症のようです。多分、普通の歩き方だと結構痛いと思いますが、私の場合は中心軸歩行法で外旋足(ん~…

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質素倹約を旨とすること

私は会社では結構ケチ臭いことをします。 床や工場内に落ちていたゼムクリップや輪ゴムをわざわざ拾って使ったり、A5サイズ以上の裏紙を見ると切ってメモ用紙にします。また場合によっては工場内で作業中に出た大量のビニール紐を廃棄せずに再利用したりもします。なるべく無駄をしないように心掛けています。 先日、禅の師匠が住職する寺に行ったとき、その話が出ました。 師匠はつい最近まで自動車免許を持って…

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今朝の夢

久しぶりにリアルな夢を見ました。 しかも武道に関連する夢です。 パーティー会場にて。多分、当流で数年前まで行っていた年に一度の大会に付随したパーティーではなかったでしょうか。割に高級なホテルの広間で立食式で行われていました。 名前は失念しましたが、世界で活躍する格闘技家たちも多く来ていて、他道場の同門たちは皆、その有名人たちの方に集まっていきました。 私は黙々と料理を食べていまし…

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自然を感じる力

昨年1年間、自動車を手放して可能な限りは徒歩や自転車を使って移動して思ったことです。 外気に触れている時間が長くなり、裏道の田畑のあるところをよく歩くと「季節の変わり目の香り」がハッキリと分かってきます。 また天候の変わり目や風向きなども、何となく分かるようになります。逆にそれをよく読んで出掛けるようになります。 今でも日本人は他の国の人と比べて天気予報を気にすることが多いですが、これはそ…

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「早く動く」「速く動く」

【早い】 1.ある基準よりも時間が余りすぎていない。また、 2.ある基準より時期が前である。 3.まだその時期ではない。その時期がまだ来ていない。 4.簡単である。手っ取り早い。 5.時間を置かないで次の動作や物事が行われる様を表わす。 【速い】 物事の進む度合いが大きい。動作、進行などが速やかである。 私の永遠の課題です。 「早く動く」ことと「速く動く」ことはイコール…

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後の先

武道に「後の先」という言葉があります。 あまりもったいぶっても仕方ないのですが、文字通りです。 相手が攻撃をしかけてきて、それを見切った上で初動を起こすということです。 昨夜と今朝、何気にネット上でこの言葉について色々検索していたのですが、それらを読んでいるうちに驚かされた事があります。 「後の先」はその通り、「相手が攻撃をしかけてきて、それを見切った上で初動を起こすというこ…

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木製武道具の修繕方法

木製武道具の修繕について紹介したいと思います。 修繕と言っても破損ではなく、自然に曲がってしまった武道具の修正方法です。 私は23歳の時から20年近くお付き合いさせて頂いた、筑波山神社参道にあった、杉山武道具製作所、杉山孝次さんから直伝されたものです。 杉山さんは関東圏内で古武道をされている比較的古い方であれば知る人ぞ知る伝説的な木刀作りの名人です。 鹿島香取で販売されている御神木刀…

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矛と盾の話し

武芸をしている関係上、武器にはとてもこだわりがあります。 私が所有する木製の武器の多くはその道40年近くのプロが作ったものです。 現在は既に他界してしまいましたが、この方の作った武器は長く鹿島香取を初め、多くの古流で使われていました。因みに日本で出回っている木製武器のうち、本当に匠の手によって作られたのは1割に満たないと言われています。後はほとんどが工業製品ですが、多くは台湾などの外国製であ…

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人を察するということ

先日、独逸同門から依頼を受けて道場名を創作しました。 基本、武号とか道場名というのは重要なものなので私のような下っ端如きが考えるものではなく、宗家やもっとエラい古参師範とかにお願いするのが筋ですが、友情を感じたり恩義に感じたり、考え方に感じ入ってくれたりと、色々な理由で是非にとお願いされますが、何度か語り合って親しくなった人で、どうしてもという人にだけ、考えてあげることがままあります。 時々…

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戦国ストリートin沼田2014に出陣

昨日は今年最後の時代祭に行って参りました。 行った先は群馬県沼田市。どちらかというともう日本海に近い程、北側です。 沼田市では第3回目となる祭り「戦国ストリートin沼田2014」が開催されました。 私は第1回目から声がかかっていていたのですがなかなか折り合いが取れず、今回やっとの参加でしたが、一緒に参加した同門は偶然にも5月に行われた所沢市にある滝之城祭りにも出ました。因みに彼は日系4世で…

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能を観た

日曜日は多少風邪で具合がよろしくないところを押して渋谷まで行ってきました。渋谷なんて何年ぶりだろうか。 行き先は観世能楽堂。昨日は能や舞囃子、連吟などの愛好者たちが発表する発表会でした。 もちろん渋谷の観世能楽堂に行くのは初めてです。能も見たことがあるのは多分今まで2.3回ぐらいでしょうか。 今は便利なもので、東武線から1本で渋谷まで行けます。車中はずっと寝てました。 駅に着いてからなる…

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エリート意識ということ

エリート意識は人をダメにする。先日禅の師匠が言っていたことですが、歴史から見ても確かに王族や貴族、近年では「エリート意識」という単語が否定的な意味で使われていることから、やはり良いことではなさそうです。 日本では皇族や武士階級、もしくは華族などがそれに当りますが、少し違うようです。皇族は数こそ減りましたが今を以て敬意を持たれ、憧れの対象ですし、武士階級に至ってはもうないのに未だ多くの人の憧れの…

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修行の段階と草鞋

その道にあってより高きを目指す者は、より深い稽古を行じねばなりませんが、段階が上がると、稽古の方法、そのあり方をも自ら編み出さねばなりません。言われた通り、行われている通りの反芻だけでは求道の意味がありません。 そして稽古でも特に技術の習得に関しては短期、中期、長期とそれぞれに課題を持つ方がより深く学べるというものです。 初めは道場に行ったとき、技の習得をするために先生や先輩の動きを全身…

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