正師逢見ということ

昨日は息子と庭で伐採した枝葉の残りを袋詰めしていました。 たまたま師匠と弟子の話に及んだとき、私が言いました。 「良い師に出会えるというのは時には人智の及ばない神の領域であることがある。どんなに良師を渇望していても巡り会えない人は多い。ただ言えることは良師に巡り会うことができる人は決まって志の高い人だ。」 息子は少なからぬ衝撃を受けたようです。 「え?本当?」 「ああ、出会った師は必ず…

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樋入り木刀に寄せて

最近、息子が本格的に体力作りのためのトレーニングをしたいということで、わざわざメニューまで作って始めたのですが、それに当って本人の希望もあり木刀の素振りをメニューに加えました。強さに憧れ出す年齢でしょうが、まだ本人は武道をしたいとか当流に入門したいとかいうほどではなさそうです。 私が所持する木刀のほぼ全部は1本ずつ作られた準オーダーメイド品で、恐らく製造された本数はかなり限られてい…

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意志を試す

幕末のある日、山岡鉄舟が町人の友人と一緒に、成田山新勝寺に参拝する約束をしていましたが、あいにく当日は大変な嵐になってしまいました。 雨の中、町人の家にやってきた山岡に友人は「今日は酷い嵐だ、行くのはやめよう」と言い分かれました。 夕刻、また山岡がその友人宅を訪れました。そして彼は新勝寺の御守を手渡しました。 なお、江戸から新勝寺まで60キロ弱あります。 昨年から自動車を手放してから…

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基本を練る

平成二十七年葉月三十一日の稽古所感として これは私の師の教えでもありますが、興味を湧かせるように教えること。 淡々と基本に忠実に教えることはもちろんですが、厳しいだけ、道筋から目を離さない単調な教えは良くないと言う事です。 武芸の道は厳しく遠い、もちろんそうです。そしてそれを理解して入門したのだからそういうことは了承済だ、もちろんそうです。 ですがそれだけで人が付いてくるほど現代は人…

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後進の育成 -昨日の稽古の所感に寄せて-

ありきたりになってしまうのですが、後進の育成は門派を隆盛させるだけでなく、自らの稽古にもなると言う事は昔から言われてきていることです。 単純にインプットとアウトプットあっての完成なのだと思います。 確かに社会人でも親から育ててもらったのに親になって子を育てない人の中にはいささか社会的に未成熟な感じがする人が多い。そういう人が社会に増えてきたことは、今の社会の有り様に関係あると思います。 人…

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匠の技を単純に

単純な行為を直接の感覚を以て匠の技で行う。 これが一番シンプルな意味において「強い」 先週日曜日の稽古において、当流の宗家が口にした言葉です。 (正確な言い回しではないかも知れないという辺りはご容赦ください) いくつかの言葉のうちで、これが一番印象に残りました。 優れた茶道や華道、舞踊の先生方の所作はまさにその通りです。 箸一つ、戸を開ける仕草一つ取っても完璧な動きを見せてく…

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あるがままにて

実は1ヶ月近く前から左足裏に痛みがあります。丁度踵の前内側土踏まずが始まる辺り。普通に接骨院に行っているのですが、さっき何気なく調べてみてショック。なんとwikipediaにも載っているぐらい普通にある症例のようです。足底筋膜炎、というのが症状で、足の裏にくまなく広まっている筋膜の骨との接続部分に起る炎症のようです。多分、普通の歩き方だと結構痛いと思いますが、私の場合は中心軸歩行法で外旋足(ん~…

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質素倹約を旨とすること

私は会社では結構ケチ臭いことをします。 床や工場内に落ちていたゼムクリップや輪ゴムをわざわざ拾って使ったり、A5サイズ以上の裏紙を見ると切ってメモ用紙にします。また場合によっては工場内で作業中に出た大量のビニール紐を廃棄せずに再利用したりもします。なるべく無駄をしないように心掛けています。 先日、禅の師匠が住職する寺に行ったとき、その話が出ました。 師匠はつい最近まで自動車免許を持って…

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今朝の夢

久しぶりにリアルな夢を見ました。 しかも武道に関連する夢です。 パーティー会場にて。多分、当流で数年前まで行っていた年に一度の大会に付随したパーティーではなかったでしょうか。割に高級なホテルの広間で立食式で行われていました。 名前は失念しましたが、世界で活躍する格闘技家たちも多く来ていて、他道場の同門たちは皆、その有名人たちの方に集まっていきました。 私は黙々と料理を食べていまし…

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自然を感じる力

昨年1年間、自動車を手放して可能な限りは徒歩や自転車を使って移動して思ったことです。 外気に触れている時間が長くなり、裏道の田畑のあるところをよく歩くと「季節の変わり目の香り」がハッキリと分かってきます。 また天候の変わり目や風向きなども、何となく分かるようになります。逆にそれをよく読んで出掛けるようになります。 今でも日本人は他の国の人と比べて天気予報を気にすることが多いですが、これはそ…

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「早く動く」「速く動く」

【早い】 1.ある基準よりも時間が余りすぎていない。また、 2.ある基準より時期が前である。 3.まだその時期ではない。その時期がまだ来ていない。 4.簡単である。手っ取り早い。 5.時間を置かないで次の動作や物事が行われる様を表わす。 【速い】 物事の進む度合いが大きい。動作、進行などが速やかである。 私の永遠の課題です。 「早く動く」ことと「速く動く」ことはイコール…

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後の先

武道に「後の先」という言葉があります。 あまりもったいぶっても仕方ないのですが、文字通りです。 相手が攻撃をしかけてきて、それを見切った上で初動を起こすということです。 昨夜と今朝、何気にネット上でこの言葉について色々検索していたのですが、それらを読んでいるうちに驚かされた事があります。 「後の先」はその通り、「相手が攻撃をしかけてきて、それを見切った上で初動を起こすというこ…

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木製武道具の修繕方法

木製武道具の修繕について紹介したいと思います。 修繕と言っても破損ではなく、自然に曲がってしまった武道具の修正方法です。 私は23歳の時から20年近くお付き合いさせて頂いた、筑波山神社参道にあった、杉山武道具製作所、杉山孝次さんから直伝されたものです。 杉山さんは関東圏内で古武道をされている比較的古い方であれば知る人ぞ知る伝説的な木刀作りの名人です。 鹿島香取で販売されている御神木刀…

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矛と盾の話し

武芸をしている関係上、武器にはとてもこだわりがあります。 私が所有する木製の武器の多くはその道40年近くのプロが作ったものです。 現在は既に他界してしまいましたが、この方の作った武器は長く鹿島香取を初め、多くの古流で使われていました。因みに日本で出回っている木製武器のうち、本当に匠の手によって作られたのは1割に満たないと言われています。後はほとんどが工業製品ですが、多くは台湾などの外国製であ…

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人を察するということ

先日、独逸同門から依頼を受けて道場名を創作しました。 基本、武号とか道場名というのは重要なものなので私のような下っ端如きが考えるものではなく、宗家やもっとエラい古参師範とかにお願いするのが筋ですが、友情を感じたり恩義に感じたり、考え方に感じ入ってくれたりと、色々な理由で是非にとお願いされますが、何度か語り合って親しくなった人で、どうしてもという人にだけ、考えてあげることがままあります。 時々…

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戦国ストリートin沼田2014に出陣

昨日は今年最後の時代祭に行って参りました。 行った先は群馬県沼田市。どちらかというともう日本海に近い程、北側です。 沼田市では第3回目となる祭り「戦国ストリートin沼田2014」が開催されました。 私は第1回目から声がかかっていていたのですがなかなか折り合いが取れず、今回やっとの参加でしたが、一緒に参加した同門は偶然にも5月に行われた所沢市にある滝之城祭りにも出ました。因みに彼は日系4世で…

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能を観た

日曜日は多少風邪で具合がよろしくないところを押して渋谷まで行ってきました。渋谷なんて何年ぶりだろうか。 行き先は観世能楽堂。昨日は能や舞囃子、連吟などの愛好者たちが発表する発表会でした。 もちろん渋谷の観世能楽堂に行くのは初めてです。能も見たことがあるのは多分今まで2.3回ぐらいでしょうか。 今は便利なもので、東武線から1本で渋谷まで行けます。車中はずっと寝てました。 駅に着いてからなる…

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エリート意識ということ

エリート意識は人をダメにする。先日禅の師匠が言っていたことですが、歴史から見ても確かに王族や貴族、近年では「エリート意識」という単語が否定的な意味で使われていることから、やはり良いことではなさそうです。 日本では皇族や武士階級、もしくは華族などがそれに当りますが、少し違うようです。皇族は数こそ減りましたが今を以て敬意を持たれ、憧れの対象ですし、武士階級に至ってはもうないのに未だ多くの人の憧れの…

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修行の段階と草鞋

その道にあってより高きを目指す者は、より深い稽古を行じねばなりませんが、段階が上がると、稽古の方法、そのあり方をも自ら編み出さねばなりません。言われた通り、行われている通りの反芻だけでは求道の意味がありません。 そして稽古でも特に技術の習得に関しては短期、中期、長期とそれぞれに課題を持つ方がより深く学べるというものです。 初めは道場に行ったとき、技の習得をするために先生や先輩の動きを全身…

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秋の陣 大多喜

昨日は千葉県夷隅郡大多喜町の時代祭に行ってきました。 この祭りは私が自前甲冑祭りに参加した最初の祭りで、かれこれ10年前になります。祭り自体は第40回目で時代祭としては結構古い部類になります。 昨日は友人2人を途中で拾って始めて東京湾アクアラインを使って行きました。都内を突っ切る首都高には泣かされましたが、アクアラインまで来るとあとは本当に楽で驚かされました。特に今年からは市原鶴舞出口からは…

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一つの事実に・・・

分からせるというのは本当に難しい。 分かったかどうかは紙面では分からない。 分かったつもりでいても紙面だけかどうか、それを峻別する能力が師の優劣を決めるものかも知れない。 最近私はその方面の能力が欠如しているんだなと痛感させられた。 1人の人が死んだ。 大抵の人が同情する。 ひとりの若い女性が死んだ。 若い男性なら更に同情する。 美人だったらもっと同情する。 不慮の事故だと…

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修行に想うこと

私は修行という言葉をよく使います。 これは広義の稽古という意味です。 技の鍛錬、術の向上、知識の習得、心身の錬成などなど、たくさんの意味を含んでいます。そして重要なのが修行の場所。どこでも、いつでも、です。 もう少し厳密に言えば、自分は修行している、と思ったときと思った場所がまさに真の道場の稽古、です。 芸事の理解が深まってくると、初めは道場内で稽古相手の相対したときだけの意識が、そのう…

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正師逢見ということ

昨日の坐禅会では師が自分の先輩について語ってくれました。 前にも紹介したことがあったかも知れませんが、もう一度。 その先輩は坐ることに徹底して、それこそ他の仲間が作務や托鉢をしていてもずっと坐り込んでいたぐらい徹底して坐り、知識を極めていたそうです。 その先輩はよく師に手紙を書いたそうです。 掛錫した僧堂や師家、老師を批評したり、感想を述べたりしたものだそうです。 あれはよい、あれ…

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稽古に通う道

毎週土曜日は埼玉県春日部市にある市民武道館にて稽古があります。30年近く前になりますが、10代の頃は駅から2キロ弱を歩いて行きました。当時は駅から市役所ぐらいまでは店やオフィスビルがありましたが、そこから外側には一面の田んぼがあったのものです。今では道沿いにたった一つあるだけです。時代の流れを感じます。駅前通の直線は1キロほどが藤棚通りになっています。5月になると美しい藤を見ることが出来ます。こ…

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徒然なるままに

世の中には価値観が全く違う人がいる。 そういう人たちと遭遇してしまうと大抵、どちらがより正しいか、と考えてしまう。 自分の物差しと相手の物差しを比べてどちらが正しいというのもないのだろうが、例えば古くから続いている習慣にはやはりなにがしかの根拠があり、根拠がある所作や習慣は概して品格がある。 海外に行って、そういう部分をよく観察できる人は例えその国の習慣が分からなくてもやはり所作には品…

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パズルのピースその他

昨日は結婚したての同門夫婦とフィンランドの同門を連れて宇都宮郊外の観光名所に行ってきたのですが、その帰り、道の駅で昼食を取ったときにふと新妻になった同門に、どうして彼を選んだのか尋ねてみました。 彼女はしばらく考えてからサラリと言ったのは「パズルのピースが合ったかのような感じ」というものでした。 なかなかの回答だったと私は感心しました。 どこがいい、何がいいというのではなく、相手と自分…

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昨日の稽古

昨日は弟子と甲冑仲間の1人とで稽古をしました。 稽古の内容のほとんどは来月行われる「第三回 滝の城祭り」で行われる城物語の一幕、合戦にて行われるアクションのため。 甲冑を着て長得物を振り回す機会というのはあまりないため、私は第1回からずっと参加しています。今年は色々あって豊臣方。本当は滝の城方をやりたかった~。 写真は4/13に行われた群馬県甘楽町の小幡桜祭りのもの 15分程…

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道について考えた

先日、FBの私の道場のページで何となく「ナントカ道」の道について書きました。その折、「みち」の語源についてちょっと興味が湧いたので調べてみたのですが、一番なるほどと思ったサイトはこれ。 http://homepage3.nifty.com/rosetta_stone/wissenshaft/lexicon.htm 訓読みは古代日本語から来ているものが多いですが、ものすごく身近な単語に…

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昨夜の稽古・・・とか

昨日は定時で帰宅してから速攻で着替えて6尺棒を日本も担いで総合体育館へ。自転車だとかなり危険なので、3キロを歩きました。近頃は3キロが歩くには遠いとは思わなくなってきました。 体育館にはギリギリで到着、遅れて来た人を合わせて4人でした。うち二人は甲冑仲間で今回は5月に行われる時代祭の練習も兼ねてます。 通常であれば不動庵道場の稽古なのですが、今来ている唯一の弟子に頼んで時代祭の稽古を兼ね…

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とりとめもなく・・・

私は武神館というところで長らく武芸に親しんできています。 長いと言うだけで同門先輩後輩より熱心かと言えば恥じ入るところこれあり。 ともあれ、いつとはなしに一介の道場を開くことを許されるまでになりました。 正式に道場を開くことが許される段位を拝受したのは1995年ですが、道場開設を決めたのは息子が生まれた2003年、34歳の時。同門の外国人の中にはすぐに道場を開くツワモノもいますが、外国…

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