露労2

今、ロシアは非常に経済的に躍進してきています。
その辺りは中国も同じなのでしょうが、ロシアで作られているものは若干、まともな気がします。
建築物なども建設ラッシュですが、見ていて気分が悪くなるようなデザインはなかったように思います。ちゃんとロシアの風景を損なわないものです。
サンクトペテルブルグなどでは大工さんは皆、結構ハイレベルなことをしているようでした。(傍目に見ていても難しそうでした)
サンクトペテルブルグでは大半がロシア人の大工さんのようでしたが、モスクワでは大半が中央アジアや中東からの出稼ぎ労働者のようでした。
日本ではあまり報道されませんが、モスクワも雨後の竹の子のようにマンションやら道路が建設されています。
そういうところで3K労働がほとんど海外からの労働者によって進められている訳です。サンクトペテルブルグにも海外からの労働者は多いのですが、そちらでは英語が話せる人が多いのに対して、モスクワではロシア語が話せる人やロシア語も話せない人が多いと言うことでした。
もちろん、こういう現状がよいはずもなく、ロシア人で職にあぶれている人に働いてもらった方が良いのですが、元共産圏国家では出稼ぎでようやく生計を立てている人も多く、社会主義国家の総本山としてはそういう人たちをむげに断るのも難しいそうです。

ホテルにも出稼ぎ労働者が結構いました。今回宿泊したのはモスクワ市内ですが、南端に位置した外国人も泊まるホテルでした。ざっと見たところ、フロントやレストランといった、直接客と接するスタッフ以外は半分以上が出稼ぎ労働者だったように思います。

朝食はバイキング形式だったのですが、1人、気になったスタッフがいました。(ああ、もちろん女性ですけど・笑)。中東出身のようですが、インド人のようなアーリア風の容貌ではなく、どことなくアジアっぽい感じもした女性です。ほっそりしていてもの憂いた表情をしながらせっせと食器を片付けていました。彼女の横顔を眺めながら、どんなことを考えているのだろうかと想像していました。少々マニアックで恐縮ですがNHKで放送されていた(あ、今も再放送してますね)「不思議の海のナディア」に出てくるヒロイン「ナディア」がそのまま大人になったような感じです。日本人的にはロシア人のような華のある容貌ではありませんが、非常に好感が持てる雰囲気と容貌でした。時間があったらちょっと話してみたかった(でも英語が話せる感じではなかったな)。何で若い女性がわざわざこんな異国の地にまで来て働かないといけないのかな、なんて思いました。

中国でもロシアでも一番驚かされるのはこういった3K労働者とオフィス労働者の雰囲気や格差の大きさ。日本も小さくはないと思いますが、人種が違うと思ってしまうぐらい、全く違った種族のように錯覚する程に、違います。中国などではロシアと違って同国国民のはずですが、一方は大学出、一方は文字も書けないというぐらいの差がある場合もあります。ロシアの場合、出稼ぎは不法就労も多いそうですが、それにつけ込んで不良警官が搾取する場合もあるそうです。

日本も高度経済成長期には多くの肉体労働者がいましたが、ほとんどが日本人自身の手によるものです。大量の異国からの出稼ぎ労働者には頼っていません。(と外国人に説明すると、大抵はかなり驚かれます)しかしそれが世界的に見て普通なのかどうか分かりませんが、本来そうあるべきではないかと思う次第です。自分たちの幸福の追求のために、他国の民を土台にするのはいかがなものか、そんな風に思った次第です。


平成二十四年葉月二十日
不動庵 碧洲齋